目からうろこ

散瞳というのは、点眼薬 ( 散瞳薬 ) で瞳孔を大きく開いて眼球の内部を詳しく検査するための処置です。
「瞳孔を開けて・・」という言葉から「怖い検査ですか?」と問われる方もおられますが、散瞳薬を点眼するだけです。ご安心ください。
散瞳しなければ、通常は虹彩より前の部分にある角膜・前房・虹彩の部分しかわかりません。

散瞳することでわかること

散瞳すると虹彩より後の部分の、水晶体・網膜(特に周辺部)・硝子体・視神経の状態が詳しくわかります。

散瞳検査する時の注意点

散瞳状態は直ぐには元に戻りません。
近くを見る作業 (読書 ・ パソコン作業など) は出来なくなります。
とっさの判断が必要になる自動車の運転は、危険なのでできません。

お願い

点眼して散瞳状態になるまでには、通常30分間くらいかかります。
そのため、午前午後の時間帯とも終了の1時間前にご来院いただき、午前は12時までに、午後は17時30分までに受付を済ませて下さい。


最近、眼科領域で立ち上がった学会である「近視研究会」では、『屋外活動と近視進行の関係について、多くの研究で関連が指摘されており、屋外活動時間が長いほど近視進行は抑制される』という報告をもとに、パソコンやスマホ、ゲーム機など生活環境が大きく変わった子供たちに向けて、近視予防のために次の7項目を提唱されています。特に第1項目は、これまであまり言われて来なかったことですので、注目に値します。
◎近業(きんぎょう) : 目とモノとの距離が近い状態で作業すること

◎近視研究会:慶應義塾大学医学部眼科学教室、坪田一男教授の呼びかけで、近視に至るメカニズムを解明し、科学的に証明された治療法や予防法の開発に取り組んでいる眼科医の団体


近視の詳細な原因については未だ解明されていませんが、遺伝と環境により、眼の長さ(眼軸)が長くなり発症すると考えられていますので、眼軸が伸びるメカニズムが解明されて、それを中断あるいは遅くする生活習慣が発見されれば、世界的に大きな朗報となるでしょう。この方面での研究成果があれば、この紙面を使って皆さんにも広報させていただくつもりです。


都内の小中学校では、だいたい5月中に視力検査や眼科検診などが実施され、眼科受診を勧める文書が学校から父兄に届き、お子さんたちが家族と一緒に眼科を受診されることになります。

学校健診では、眼鏡・コンタクトレンズを使っていないお子さんは裸眼視力(眼鏡をかけない視力)を計測し、使っているお子さんは、矯正視力(眼鏡をかけた視力)を計測します。この健診は、学校生活に問題がないかどうかを知ることが目的なので、病院で行うような0.1刻みでの検査ではなく、1.0と0.7と0.3の3つの指標を使う「3.7.0方式」で検査され、以下のように判断されます。

通常は、検査の結果、遠視や近視や乱視などの屈折異常が見つかり、経過観察だったり眼鏡を処方されたり、調節緊張症(いわゆる仮性近視)で、点眼薬での治療などが始まります。
この検診によって、弱視という視力の発達異常が発見されたり、心因性視力障害という、ストレスからくる視力障害が見つかったりする場合が稀にあります。これらは知らずに放置されてしまうことが多い症状なので、学校健診はそれを発見する貴重な機会でもあります。


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私は、眼科の医師ですが、治療にプラセンタ注射を取り入れています。
現在は日本胎盤臨床医学会という会にも参加し、専門医の資格も取りました。実際にプラセンタ注射を行ってみると、様々な症状が改善することを体験しています。以前中医学を勉強していたこともあり、プラセンタを単に腕やお尻に筋肉注射するだけでなく、ツボに注射する方がより効果があると感じています。具体的にはツボの場所は人により多少違うこともあり、トリガーポイント(痛みの発痛点とも言い、痛みやコリが最も強い部位)を探して注射します。

時々、「プラセンタ治療をしたいけれど、注射は痛くて苦手」という方がおられます。
通常、眼科医の注射は、24ミリの小さな眼球が治療対象になります。1ミリでも狂えば適切な治療ができず、眼球を傷つけてしまうことも起こします。針先をぶらさず、いかに針の傷や痛みを最低限にするか、研修医のころから厳しく訓練されていたことが、プラセンタ注射に役立っています。
注射の痛みを軽減するには、次の4項目が大事だと感じています。
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ただ、「注射が痛かったから失敗」と決めつけることもできません。たとえば、ずっと痛くなく注射していた方が久しぶりに注射されると「以前より痛い」と感じられる場合もあります。人間の身体はホントに不思議で、注射の痛みひとつとっても完全に解明されているわけではないと感じます。それでも、日々『患者さんにとって痛みの少ないツボ注射の打ち方』を見つけてゆきたいと願いながら、注射器を手にする眼科医です。


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医者の思ってること・患者さんの思ってることが、同じ言葉を使っていても違っている場合があります。眼科の基礎の基礎・・『視力』もそうです。

眼科医が使う「視力」の意味は『矯正視力(メガネをかけた視力)』の場合がほとんどですが、患者さんの言う視力は『裸眼視力(メガネをかけない視力)』を指している場合が多く、たとえば、学校の視力検査で「視力が悪いので眼科受診をお勧めします」という通知をもって来られた患者さん(お子さん)のご両親に「視力は問題ないですね」とお話しすると、一旦喜ばれますが、健診結果を書き込むときに裸眼視力の項目に0.3などと書くとビックリされます。

眼科医が『視力』というときは、『矯正視力』のことなので、たとえ『裸眼視力』が0.3であったとしても、メガネで矯正して1.0が出ていれば「視力は問題ない」と話してしまうことがあるのです。眼科医にとって、1.0という矯正視力が出るか出ないか?は大問題で、1.0の視力があれば、屈折異常(近視や遠視や乱視)の問題だから基本的にメガネで問題解決できるだろうという方針が立つのですが、矯正視力0.9以下だと、何らか視力を邪魔する眼球の病気があるかもしれないことを意味するので、視力低下の原因を調べることが必要になってくるのです。しかし、お子さんにメガネをかけさせたくないと思われているご両親からは、メガネをかけるかどうかが最大関心事なので、『裸眼視力』で一喜一憂することになるのです。

お互いの考えていること・思っていることが食い違っていることは、なかなか分かりにくいものです。
コミュニケーションミスを起こさぬため、患者さんに『矯正視力』と『裸眼視力』の違いをしっかりお伝えしたいと思いました。


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眼科の新しいトレンド『心療眼科』

皆さんは「心療内科」という診療科目があるのはご存知だと思いますが、以前からあったわけではなく、比較的に新しい科目なのです。病気と言えば肉体だけを診てきた反省から、「体に与える心の影響も医師は診てゆかねばならない」と、考えた内科医師たちが始めた動きが形になったのが心療内科です。現在は、胃潰瘍という病気にストレスという心への負荷が関与していることを疑う医師も患者さんもいない時代ですが、かつては心の影響などほとんどないと考えられた時代もあったのです。

しかし、眼科という専門科目の中では、まだまだそのような動きは少ないというのが現状です。そこに何とか道を拓こuroko02うと井上眼科病院の若倉雅登先生という方が中心となって、精神科のドクターとも協同して作られたのが「心療眼科研究会」です。
2007年より年1回の頻度で勉強会も開催されています。

患者さんにとっては耐えがたい眼痛などの自覚症状があるのに、眼球自体には客観的な所見がない場合など、これまではなかなか対処してもらえなかったところから、より対応でき、自覚症状も癒されるようになることでしょう。私自身も興味をもって学んでいきたいと思っています。