ご報告|2

当院におけるプラセンタ注射治療の現在

はじめに

当院で平成24年10月に最初のプラセンタのツボ注射を始めて5年が経過しましたので、この機会に、どのような症状の患者さんに治療を行 って、どのような効果が現れているのか検証してみました。

■治療を受けられた方:95名

■改善度の検証:

◎ 95名のうちカルテの記載から改善度がわからない場合や早期の中断例が28名ありましたので、残りの67名が解析の対象となりました。
◎ 症状により、下の表の7つのグループに分けて検討しました。
◎効果の判定は、次の4段階に分類しました。
3点:非常に効いた、2点:比較的よく効いた、1点:少し効いた、0点:効かなかった。

(1) 肩・首の痛み・病気

特に、首肩の凝りや痛みには即効性もあり明らかに改善を自覚できる場合が多いようです。

(2) 腰・臀部の痛み・病気

この部位は徐々に効いてくる感じがあります。
ギックリ腰のような急性症状でも、脊柱管狭窄症のような慢性の症状でも効果は同様に出ています。余談ですが、ギックリ腰で杖をついてやってきた方が施術後とても具合がよかったようで、杖を忘れて帰ったことが ありました。

(3) (1)と(2)の両者

肩首と腰部臀部の両方合併ではどちらも非常に改善  することが少なく平均点は単独よりも低下傾向ですが、ある程度の効果は期待できます。

(4) 膝の痛み・病気

膝の効果は個人差が大きく、患者さんによっては、ほとんど効かない例もありました。膝痛に関しては、今後、注射部位などの研究が更に必要と感じています。

(5) 更年期障害

全員、更年期スコア(更年障害チェックシートの指数)は改善しているので、ホルモン補充療法の希望がない場合の代替えとなるように思います。プラセンタ注射は基本的に自費診療ですが、当院で使用しているメルスモンは、更年期障害に対しては保険診療の対象になります。

(6) その他(美容・疲れ)

髪のボリュームが増えたり、肌が綺麗になったと、他の人から言われる。

(7) 緑内障トライアル

プラセンタの緑内障への効果を見るために、数名の緑内障患者さん(希望者)に対して行った肩首ツボと顔面ツボへの注射治療のことです。
半年間の治療で4例は変化なく、1例は視野が改善しました。改善することはないと言われている緑内障で、1例ではありますが改善例があるのは希望です。

■総評

普段、プラセンタのツボ注射治療を行っていて「かなりよく効く治療である」と感じていたことは平均点からも理解できます。部位別には首肩が腰部臀部よりもやや即効性・効果において効きやすいと なり ました。
ただ、膝に関しては、今後もツボの選択など改善に向けての工夫が必要なようです。
また、「視野が維持できるだけでも成功」と考えられる緑内障の治療で、視野改善例があることは、 特筆すべきことだと考えています。これからも、果敢にプラセンタ注射治療に挑戦して参ります。