「秋の花粉症」のところで書きましたが、花粉症は1年中あります。春はスギ花粉症、夏にはイネ科花粉症、秋はブタクサ花粉症などが、代表的です。
その中で最も有名な「スギ花粉症」に関する意外な豆知識です。

スギ花粉はいつから飛ぶのですか?

同じ日本国内でも地方によって飛散時期は変わります。
関東地方では、だいたい2月中旬から4月いっぱいまでです。
気象庁による「花粉飛散宣言」は、だいたい2月中旬あたりに発信されますが、それが花粉の飛散する最初の日なのでしょうか?

実は違います。
飛散宣言日は「連続2日間以上」「(測定器の)1平方センチメートルあたり1個以上」の花粉が観測された初日であり「初飛散日」は、前年の12月なのです。
とても敏感な方は、年末から症状が出ているということです。「まだ時期じゃないのに・・・・」と思いながら、くしゃみ・鼻水・目の痒みに苦しんでいる方は是非ご相談下さい。

どんな薬がありますか?

現在の治療薬の中心は、「抗アレルギー薬」「ステロイド」です。
前者は後者のような副作用(細菌に負けやすくなる、眼圧を上げるかもしれないなど)がないため第一選択薬としてよく使われます。
ステロイドと比べて即効性は低いものの、予防的使用で最も効果が出る薬なのです。

治療はいつから開始すればよいですか?
症状が出始める2月中旬から治療するのが一般的ですが、本当にそうでしょうか?

毎年スギ花粉症で苦しむ方なら、発症の2週間前、つまり2月初日からの「抗アレルギー薬」での治療をお奨めします。

掻きむしって目が真っ赤な状態で来院されるとステロイドを使用せざる得なくなりますが、これにより、毎年ステロイド点眼のお世話になっていた患者さんがそれを使わずに済み、シーズン中ほとんど自覚症状なく過ごせたという例もあります。
早く治療を開始すれば、弱い薬で済み、より効果的だということです。