白内障の治療には、薬物療法(点眼薬)と手術があり、病状の進み具合によって治療が変わります。

1.点眼薬

初期加齢白内障によく用いられるのは、ピルキシン製剤や、グルタチオン製剤があります。
どちらも抗酸化作用と水晶体の濁りを抑えるはたらきがありますが、水晶体が透明に戻ることはありません。
あくまでも白内障の進行を抑えることが目的です。

2.手術

点眼療法を行なっていても、仕事や生活に支障が出るようになれば、外科手術が必要になります。
濁った水晶体を超音波で粉砕して吸引した後に、透明なプラスチックのレンズ(眼内レンズ)を挿入して、眼底にピントが合う様にします。

白内障の手術は、いつ行ったらよいでしょうか?

私は「ご自分の生活に不自由を感じたら・・・」とお話ししています。白内障手術は日々進化し続け、合併症と呼ばれるマイナスは減少して、視力改善の割合は99%確実と言ってもよいかと思っています。
しかし、「視力があまり改善しない」方や、「(残念にも)手術前よりも低下してしまう」方もゼロではありません。
リスクは、手術方法が更に進歩しても完全にゼロになることはないでしょう。
また、水晶体の代わりをする「眼内レンズ」にはピント調節機能がなく、手術後も硬鏡などによる視力の矯正が必要なこともあります。
最近は、遠近両用のレンズも開発されています。